——脳が視覚をカバーするという不思議
私たちは普段、
「目で見たものを、そのまま見ている」
と思っています。
でも実は、
見えている世界の一部は、脳が作っています。
そのことが、とても分かりやすく表れる例が
緑内障です。
緑内障なのに「見えている」と感じてしまう理由
緑内障では、
- 目から脳へ情報を送る神経が
- 少しずつダメージを受け
- 視野の一部が欠けていきます
本来なら、
「見えない部分がある」と気づきそうですよね。
でも多くの人は、
ほとんど自覚がありません。
なぜでしょうか。
脳は「欠けたまま」を許さない
人の脳はとても優秀で、
- 情報が足りない
- 一部が見えない
という状態を、そのままにしません。
代わりに、
- 周囲の景色
- これまでの記憶
- 反対側の目の情報
を使って、
「たぶん、こう見えているはず」
という映像を補完します。
つまり、
👉 見えていない
👉 でも「見えているように感じる」
という状態が起きます。
両目で見ていると、さらに気づきにくい
緑内障は多くの場合、
- 左右の目で
- 欠ける場所が少しずつ違う
進み方をします。
すると脳は、
- 右目で見える部分
- 左目で見える部分
を組み合わせて、
「全体としては問題なさそうな視界」を作ります。
結果として、
- 生活に支障がない
- ぶつからない
- 不自由を感じない
だからこそ、
異変に気づきにくいのです。
これは特別なことではない
実はこの「脳のカバー」、
誰にでも起きています。
私たちの目には
もともと「盲点(見えない点)」があります。
でも普段、
「ここ、見えてないな」と
感じることはほとんどありません。
それも、
脳が勝手に補っているから。
緑内障は、
その仕組みがより大きく表に出た例だと考えると、
理解しやすいかもしれません。
脳は正確さより「困らないこと」を選ぶ
脳の目的は、
- 正確な映像を届けること
ではなく - 困らずに生活できること
だから、
- 少しくらい欠けていても
- 違和感が出ないように
うまくごまかしてくれます。
それはとてもありがたい機能ですが、
緑内障の場合は
「気づきにくさ」という落とし穴にもなります。
まとめ:見えている=正常、とは限らない
- 脳は視覚の欠けを自然に補う
- 緑内障では、その働きで気づきにくくなる
- 見えている感覚は、必ずしも正確ではない
- だからこそ、検査が大切
これは怖い話ではなく、
脳の仕組みを知る話です。
「見えているつもり」な世界を
当たり前だと思いすぎず、
ときどきチェックで確かめる。
それが、
脳の優しさと上手につきあう方法なのかもしれません。


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